吸収性骨再生用材料「e=Bone®」(イーボーン)を連結子会社から販売開始
2023.03.30 新製品リリース
本ニュースリリースは、ステークホルダーの皆さまに企業活動をお伝えするために実施しています。当社製品や研究開発の情報を含む場合がありますが、これらは製品に関するプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。また、掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後、予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
バンドー化学株式会社(本社:兵庫県神戸市)の連結子会社である株式会社Aimedic MMT(本社:東京都港区、URL:https://www.aimedicmmt.co.jp)は、大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学(整形外科学分野)、同工学研究科マテリアル生産科学専攻との産学連携のもと、人工骨開発の研究プロジェクトを立ち上げ、共同で研究を行ってまいりました。このたび、得られた研究成果を用いて開発された吸収性骨再生用材料「e=Bone®」(イーボーン)を、2023年4月1日から販売することになりましたので、お知らせいたします。
1. 製品概要
2. 開発の背景・狙い
現在、日本の骨欠損部に対する療法として、自家骨移植(患者自身の骨を採取し、移植)、人工骨移植、または自家骨と人工骨を併用した骨移植術が一般的に行われています。自家骨移植は日本での骨移植術において約半数の割合を占めていますが、採骨部の疼痛や感染といった合併症、骨粗しょう症を患う高齢者では、良質な骨を採取することが極めて困難であること、また、採取できる骨量に制限があり、肉体的および精神的な負担の増加などが問題とされています。一方、人工骨移植の場合、量の制限はないものの、既存の人工骨は骨形成を促進する作用を有さないため、患者の骨と一体化する「骨癒合」に時間を要し、運動制限や社会活動復帰およびADL(※1)の遅延を引き起こし、それらが社会的損失の要因になることが問題とされています。
今回、Aimedic MMTでは、プラズマ処理により人工骨の表面を修飾することで人工骨に骨形成活性能力を付与させるという画期的な人工骨開発の研究プロジェクトを、大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学(整形外科学分野)海渡 貴司准教授、同工学研究科マテリアル生産科学専攻 浜口 智志教授の研究グループと、産学連携共同研究として立ち上げ、本製品の製品化に至りました。
超高齢化が加速化している日本において、治療期間の短縮は急務の課題であり、骨形成を促進する作用を有する人工骨が開発できれば、早期の骨癒合が可能となり、早い段階でのリハビリの開始、歩行能力の早期回復の確保によるADLの改善やQOL(※2)の向上、就労復帰までの期間の短縮に貢献できます。合わせて、医療関係者および家族の介護負担の軽減、医療費全体のコスト削減のような医療資源確保への貢献も期待されます。
3. 新製品の特長
小さな空洞が連続する多孔体構造を有する人工骨表面にアミノ基の構成成分である窒素を修飾しています。アミノ基は、細胞培養を行うシャーレ皿の表面改善などで利用されており、細胞接着性を改善することが証明されています。本製品表面に修飾されているアミノ基窒素により、埋入後、細胞接着、骨芽細胞分化、骨形成の促進作用が期待され、人工骨内深部まで生体組織が速やかに侵入し、骨治癒の過程において十分な強度を確保しつつ吸収または置換されます。
(※1)ADL;Activities of Daily Living日常生活動作
(※2)QOL;Quality of Life 生活の質
以上
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