2. 開発の背景・ねらい
近年、高齢化社会が進展し、透析患者における認知症患者の割合が増えたことなどもあり、透析患者が無意識に透析針を抜去(引っ張り抜き取る)してしまい、重大な事故につながるケースがありました。また、透析の現場では、抜針による出血を検知する機器は存在しますが、出血前に知らせられないかという切実な要望がありました。
このような背景のもと、当社では伸縮性ひずみセンサ「C-STRETCH®」を活用した抜去動作検知システム「抜去アラート®」を開発しました。「抜去アラート®」は、人工透析における透析回路(チューブ)に「抜去アラート®」を取り付け、「患者の無意識の抜去行動」や「意図しない引き抜き」を素早く検知して警報音と光でお知らせする機器です。抜針を未然に防ぐことで、患者ならびに介護者、ご家族、医療従事者などの皆さまがより安心して人工透析治療を行えるよう、医療安全に貢献していきたいと考えております。